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リフォーム内容の決め方と行うタイミング
長く大切に住み続けてきた家をついに「リフォームしよう!」って思ったとしても、どうすれば今より良くなるのか、そのためにはどういった手段があるのか、はじめてだと特にわからないことだらけなのではないでしょうか。しかも「住みやすい家にしたい」とは簡単に言っても、家ごとにそれぞれ違うので「こうすれば確実に良くなる」という方法はありませんし、家族構成やライフスタイル次第で必要な内容は変わっていきます。
ではどうやってリフォームの内容を決めればよいのでしょうか?
《現状の住まいを客観的に見てみる》
具合が悪くなって病院に行くと、先生に「どこがいつからどのようにおかしいか」を伝えます。それと同じようなことを“我が家”を見て行えばまず「何をしたいのか」がわかってくるでしょう。そのためにはまず、建物自体の現状を把握することが大切です。
・住まいのカルテを作る
人間にはかかりつけの病院に行けば、身長や体重から現在の状況、過去の病歴までが確認できる“カルテ”が存在しています。家にも同じようなものがあれば、リフォームやメンテナンスを効率的に行うことが可能となりますよね。ですので、現在の状況を知るためにもここではまず“住まいのカルテ(住宅履歴)”を作りましょう。
築年数や過去のメンテナンス内容なども重要ですが、一戸建てで増築を予定しているのであれば“建ぺい率”と“容積率”が最重要ポイント。これらは“その土地に対してどれだけの大きさの建築物が建てられるか”で、土地ごとに法的に定められてしまっているため、これらが上限だった場合はそれ以上の増築を行うことができません。しかし購入時から変更されている可能性もあるため、市区町村役場の都市計画課などの担当課で再確認したほうが良いでしょう。
一戸建てであれば建築図面、マンションであれば間取り図と設備図などがあれば、リフォーム会社との話も進めやすくなりますので、こちらの有無はかなり重視されます。
種別 | 一戸建て(木造・2×4・プレハブ・その他) マンション(ラーメン構造・壁式構造) |
延床面積 | ㎡( )坪 |
敷地面積(一戸建ての場合) | ㎡( )坪 |
築年月 | 年 月竣工(築 年) |
過去のリフォーム・補修歴 | 年 月(内容 ) 年 月(内容 ) 年 月(内容 ) 年 月(内容 ) |
建ぺい率(一戸建ての場合) | % |
容積率(一戸建ての場合) | % |
図面の有無 | |
管理規約の規制など問題になる点 |
・希望や不便な点をチェックしてみる
単に「リフォームで快適で住みやすい家にしたい」と考えていても、内容がぼんやりとしすぎて具体的なイメージが出てきません。キッチンや浴室などリフォームしたい“場所”をあげてみて、そこからその場所で不便に感じていることを書き出してみましょう。キッチンであれば、2人以上並んで調理できる広さが欲しい、収納が足りなくて調理器具をしまう場所がない、浴室であれば、足を延ばしてお湯につかりたい、冬場は寒くてヒートショックが気になる、など。小さな不満でもいいので書き出してみれば、だいたいのリフォームポイントと規模が見えてきます。
思いつくものが浴室乾燥機や追い炊き機能が欲しいといったものだけであれば、設備の追加・買い替えるだけでリフォームは済むでしょう。また部屋を増やしたいと思っていたり、複数の不満点が見つかるようであれば大規模なリフォームを検討する必要があるかもしれません。
不満の解消方法がわからなくても、気になるポイントなどがはっきりしていればリフォーム会社へ相談するときも話を進めやすくなるので、とにかく書き出しておきましょう。
□狭くて動きにくい | □給湯器の調子が悪い |
□暗くて寒い | □調理台やシンクが狭く作業しにくい |
□換気扇の能力が低下。煙や臭いがこもる | □調理台が高すぎる。または低すぎる |
□下水の臭いがあがってくる | □吊り戸棚が高くて不便 |
□コンロがなかなか着火しない | □収納が少なくて雑然としている |
□コンロまわりの塗装がはがれている | □その他( ) |
□バスタブが狭い | □追い焚き機能が欲しい |
□タイルがはがれている。破損している | □浴室乾燥機が欲しい |
□床・壁・天井のカビがとれない | □洗濯機置場が欲しい |
□トイレが狭い | □脱衣場が狭い |
□トイレに臭いがこもる | □お湯が沸くまでに時間がかかる |
□和式から洋式に替えたい | □シャワーの温度調節がうまくいかない |
□温水洗浄便座に替えたい | □その他( ) |
□畳が色あせ、傷みが目立つ | □襖や障子に破損がある |
□フローリングにはく離や腐りがある | □ドアの開閉がしにくい |
□カーペットが摩耗している | □引き戸が重く開閉がしにくい |
□天井・壁の汚れが激しい | □隙間風が入る |
□クロスがはがれている | □日当たりが悪い |
□結露がひどい | □その他( ) |
□収納が足りない | □階段が急で危ない |
□家族構成が変わり部屋が足りない、または余っている | □室内に段差が多く不便、または危ない |
□水まわりや廊下などで人とぶつかる | □その他( ) |
□屋根瓦が割れたりずれたりしている | □基礎に亀裂が目立つ |
□トタンや金物にひどいサビがある | □バルコニーの金属部分がサビついている |
□雨樋にゆがみやサビがある | □門扉やフェンスに破損やサビがある |
□外壁の汚れ、ひび、はく離が激しい | □その他( ) |
《どこからリフォームするべきか》
あれもリフォームしたい、これもリフォームしたいと思って必要な金額を計算してみたら、建て直すのとあまり変わらないものになってしまった、というのもよくある話かもしれません。予算には限りがありますので、本当に必要なリフォームを選ぶことが大切です。
・リフォームの優先順位をつける
希望や不便な点をチェックしたものの中から、その家に住む家族全員で優先順位をつけていきましょう。
屋根や外壁など家の老朽化を補修するものや、耐震補強といった災害対策、窓や床の歪み、放置したままではいずれ事故が起こりそうな箇所など、早急にリフォームが必要な場所をまず優先していくのがポイントです。まずそれらをピックアップしてから、家族全員の希望が強い場所を選んでいきましょう。
また、トイレやお風呂といった水回りは毎日使うものですし、きれいな状態のほうが掃除もしやすく気分的にも良いものですので、優先順位を高くする方が多い傾向にあるようです。
リフォームは、古くなったところを直す“修繕”と、ライフスタイルの変化や生活の質の向上のための“改良”の2パターンに分かれています。予算には限りがありますので、まずは何のためのリフォームなのか、まず“目的”を決めてから「今回のリフォームで本当にそれが必要なものなのか」を確認しつつ何度も話し合いを重ね、優先順位を決定していきましょう。
・築年数と老朽化に合わせてリフォームを行う
建物を長持ちさせたいのなら、定期的なメンテナンスも重要ポイントです。マンションなどでは管理組合などが適切に機能していれば築年数や状態次第で修繕が行われますが、一戸建てであれば住民自らが確認し管理しなければなりません。
資材や設備はそれぞれ寿命がありますから、先回りで補修しておきたいところ。たとえば屋根が劣化し雨漏りするようになっていたとしても、室内にほとんど滴ってこない状況ならば「生活に大した影響はないし大丈夫だろう」と放置してしまう、といった方も少なからずいるでしょう。しかし雨漏りの放置は、天井や壁の染みやカビの発生、電気設備の被害、木材や金属が腐食すれば最悪倒壊の危険も出てくるのです。そのような状況に陥ってしまってからリフォームを行うとなれば大規模なものになってしまい、修繕に時間がかかるだけでなく、費用もかなり高いものになってしまうのは間違いありません。
そういうことにならないためにも、どのくらいの周期でリフォームが必要なのか目安として知っておくと安心できるでしょう。
・5~10年周期
クロス
日焼けや劣化、ほつれ、剥がれなども出やすい場所ですので、こまめに張替えしたい場所。塗り壁の場合は汚れが気になってきたらでOK。
・10~15年周期
システムキッチン
食べ物を扱う場所なだけに、汚れや劣化が出てくると衛生面が気になってきます。換気扇やコンロなどの設備も併せて確認しておきましょう。
トイレ
頻繁に使う箇所ですので水が止まりにくいなどの問題が発生しやすいです。タンク内のパーツなどは定期的なメンテナンスがおすすめですが、公的に本体の耐用年数が15年となっていますのでこの辺りを全体的な目安にしたいところです。
洗面所
こちらも使用頻度が高い場所。こまめに清掃をしておくことで劣化を遅らせることが出来るので、水漏れのチェックと併せて行いましょう。
給排水管
サビが発生しやすく、劣化が進むと水漏れなどの要因にもなるため、トイレやお風呂回りなどの水回りのリフォームに合わせると良いでしょう。
タイル張り外壁
藻やコケなどの汚れの清掃、目地やタイルの補強などを行います。
吹き付け塗装外壁
下地の補修はおよそ10~15年周期ですが、そこにあわせて15~25年周期で外壁を撤去してからの下地補強も必要となります。
・15~25年周期
金属製屋根葺き替え
下地材の補修と併せて、断熱材の補強も行います。屋根や壁はアレルギーの原因になりやすいポイントでもあるため、注意しておきたいところ。
内壁・天井
下地・構造・断熱材の補強が必要となります。クロスの張替えと併せると良いです。
・20~30年周期
ユニットバス
浴槽などが劣化していれば交換を、同時に基礎、柱の補修も行います。
在来工法浴室
タイル仕上げの浴室の場合、ヒビ割れや隙間から床に浸水する危険があるため、目地やタイルの補修が必要です。こちらも基礎部分の補強などと併せましょう。
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