「とにかく通勤に便利なところに住みたい」と都心に家を買う人から、「緑多いところで広めの家に住みたい」と郊外で家を買う人まで、人の家の好みは千差万別。でも実際、自分と似たような家族構成、同じくらいの世帯年収の人たちは、どちらでどのような家を購入しているのだろう？と考えたことはないでしょうか。今回は“家の購入者”にスポットを当ててみました。

《新築マンション購入者の世帯年収は800万から1000万が中心》

マイホームといえば一戸建てという時代もありましたが、メンテナンスやセキュリティ、利便性を考えてマンションを選択する方も増えています。“新築マンションの購入”という括りで見ると、年収800万未満の世帯は郊外の新築マンションを購入するパターンが多いです。それが年収800～1000万の世帯になると、郊外/都心を問わず新築マンションの購入を選択する人が増大。年収1000万以上の世帯になると今度は都心の新築マンションを選ぶ傾向となっているようです。
都心にはかなりの高級マンションが立ち並んでいる場所も多いのでそれも納得できますが、“新築マンションの購入”をするのは世帯年収800万～1000万あたりが中心と思っても良いでしょう。
※データ参照元：「新築マンション購入者調査」リクルート住まいカンパニー調べ。2014年11月14日時点

《郊外は価格の幅が狭く、都心は広い》

郊外の新築マンションの物件価格は3000万～4000万円台が中心で、それ以下もそれ以上もやや少なめな傾向にあるようです。
それに対して都心での物件価格は3500万～6000万円、さらにそれ以上はほぼ横ばいの状態。マンションの数や種類がそれだけ多いという理由もひとつにありそうなものの、ひとことで都心部とは言っても東京23区の場合でも港区や渋谷区など1億を超える物件が多いエリアから、下町を中心に比較的リーズナブルな物件が立ち並ぶエリアもありますので、それだけ価格の幅も広くなってきているようです。
※データ参照元：「新築マンション購入者調査」リクルート住まいカンパニー調べ。2014年11月14日時点

《郊外のほうがやや広め物件》

新築マンションを選択するのが子育て世代が多いせいか、平均専有面積は家族で住むのにちょうど良い60㎡～75㎡の物件が一番多く購入されています。これは都心でも郊外でも大きな差はないのですが、都心では60㎡未満の購入者が10数％、郊外では85㎡以上の購入者が数％と、やや差が出てきています。どちらかというとやはり郊外のほうがゆったりと広めの物件を選ぶことが多い傾向にあるようです。
※データ参照元：「新築マンション購入者調査」リクルート住まいカンパニー調べ。2014年11月14日時点



ここまで見てみると新築マンションを購入する人々は、世帯年収、物件購入価格、物件の広さは、都心でも郊外でもそれほど極端な差はないようです。ですが、傾向としては都心では“やや狭め、やや高め”で、郊外では“やや広め、やや安め”となっていると言えそうですね。そこに毎日の通勤や買い物、利便性、さらには予算なども含めて考えて、自分たちに合った選択をしたいところです。
人生に何度もない大きな買い物だからと、収入に合わない物件を購入し生活が回らなくなるというのも問題ですが、妥協しすぎてもっと条件の良い物件にすればよかったと後悔するのも考えもの。安心してローンを支払える年間返済の目安は、“世帯年収の20％”。なので、貯金があれば当面の生活費を差し引いて頭金に当てると想定したうえで、“自分たちの世帯年収にあった物件”を探し出しましょう。