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郊外でゆったりとした理想のマンションを探そう
コロナ過は経済や生活環境など様々なものに大きな影響を与えましたが、同じようにこれまでの考え方も一変させました。
これはでは仕事や学校で日中は家にいることがほとんどなかったため、「家は寝る場所」と捉えていた方は多かったかもしれません。しかし、今回のコロナウィルス感染拡大によってテレワークやオンライン授業の普及が急激に加速したことにより、在宅時間がかなり増えた方も多いでしょう。
そうなると、「家の広さ」が気になってくるのではないでしょうか。
もっとゆったりとした広さのリビングが欲しい、自分の部屋が欲しいなどと、現状の住まいに不満を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
広いマンションに引っ越したいけれど、今の予算では難しい・・・そんな時に目を向けて欲しいのは“郊外”です。
今回は、小田急小田原線、JR中央・総武線、東急東横線、田園都市線の都内4路線でそれぞれ考えてみました。
《都心から何駅離れれば良いのか》
広さは求めたいものですが、やはりその分価格が高くなることは間違いありません。
しかも、コロナが終息した後もテレワークを積極的に活用していく方向へ社会全体が進む可能性が高いことから、「通勤利便性を重視して都心に住む」ということに拘る必要がなくなることも考えられます。マンションを購入するための予算も考慮に入れれば、やはり郊外でマンションを購入するのが現実的です。
ゆったりとしたマンションを予算以内で購入するためには、実際どのくらい都心から離れればよいのでしょうか。
リクルート住まいカンパニーが2020年3月に発表した「2019年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、2019年の新築マンションの平均購入価格は5,517万円で、平均専有面積は68.2㎡と結果が出ています。この68.2㎡を基準として、“今よりゆったりとした広さ”のマンションは“80㎡”とします。
都心から何駅離れれば80㎡の広さのマンションを5,517万円で購入できるのか、実際に見てみましょう。
■小田急小田原線の場合
小田原線は、東京都新宿区の新宿駅から神奈川県小田原市の小田原駅を結ぶ路線になります。
東京都内はマンション相場も高く、平均の68.2㎡であれば世田谷区内も可能かもしれませんが、新築マンションで広さが80㎡となると神奈川県内まで離れる必要が出てきます。新百合ヶ丘や柿生まで離れれば予算内のマンションが見つかるかもしれませんが、百合ヶ丘といった人気住宅街や、町田や相模大野といった利便性の高いエリアは相場が少し高いので購入は難しくなります。
中古マンションの場合であっても、やはり80㎡の広さのものは都内ではほとんど不可能に近いです。
しかし神奈川県の登戸まで離れれば以降(向ヶ丘遊園を除く)5,517万円に収めることもできるでしょう。新築マンションでは予算オーバーであった百合ヶ丘や町田なども含まれるため、選択肢の幅を広げたいのであれば中古マンションを選ぶのも手かもしれません。
■JR中央・総武線の場合
「マイホームを購入するのであれば絶対新築がいい」と考える人は多くいますが、近年は用地費や建築費の上昇により新築マンションの平均価格は年々上昇傾向にあり、欲しくても手が届かない高嶺の花となっているのが現実です。
そのため、価格も割安になる中古マンションの人気が高まるのはある意味当然のことでしょう。
それがはっきりと表れたのが、JR中央・総武線になります。
東京都新宿区の新宿駅から八王子市の八王子駅までの区間ですと、新築マンションで80㎡を購入しようとするのなら、八王子まで都心から離れなければ購入することはほとんど不可能です。平均的な広さである68.2㎡で妥協するのであれば、西国分寺や国立という選択肢もあるのですが、80㎡に拘ってしまえば予算を増やさない限り購入することは難しくなります。
八王子は中央快特の停車駅でもありますので利便性は高いものの、新宿へはそれでも40分かかるのが気になるところでしょうか。
その一方で、中古マンションまで検索対象を広げるのであれば、武蔵境まで一気に都心に近づくことが出来ます。
利便性も人気も高い立川や、大規模再開発が入り発展が期待されている武蔵小金井などは相場が周囲より高く予算をオーバーしてしまいますが、それらを除けばかなり都心に近いエリアでゆったりとした広さのマンションに住むこともできるのです。
■東急東横線
中央線・総武線よりも新築マンションの高騰が如実に表れたのが、東急東横線です。
東急東横線は東京都渋谷区の渋谷駅と神奈川県横浜市西区の横浜駅を結び、渋谷をはじめ自由が丘、田園調布、武蔵小杉など住みたいまちとして人気の高いエリアが多い路線です。そのため相場自体が全体的に高く、新築のマンションを購入するのであれば、平均的な68.2㎡の広さのものでも予算は最低でも6,000万円以上は必要となるでしょう。
5,517万円内に収めるのであれば、中古マンションを検討対象から外すことはまずできません。
東京都内は中古であっても高額帯が続きますが、横浜に入った武蔵小杉から2つ離れた日吉以降は予算内に落ち着く傾向が見られます。終点の横浜駅も人気のエリアですからこちらも相場が高くなりますが、横浜の1つ手前にあたる反町までの区間であれば、5,517万円内での購入も可能でしょう。
■東急田園都市線
こちらもあこがれの路線として有名な路線になります。
東京都渋谷区から神奈川県大和市の中央林間駅までを繋ぐ路線で、三軒茶屋や二子玉川、溝の口、たまプラーザやあざみ野など、新興高級住宅街として特にファミリー世帯などからの注目度も高いエリアです。
田園都市線で明らかになったのは、駅自体の交通利便性が求められていることではないでしょうか。急行停車駅や複数路線が利用可能であるかが重視され、そのような駅のマンションは人気も相まって特に高額帯となっております。
そのため、この路線で80㎡の広さの新築マンションを予算内で購入しようとすれば、長津田ほどまで都心部から離れる必要があるかもしれません。
中古マンションになると購入の幅がだいぶ広がり、東京都を抜け神奈川県に入って2つ目の駅となる高津駅以降であれば予算圏内に収めることが可能となります。宮前平や、急行が停車する上に横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れているあざみ野などはやや相場から外れてしまいますが、急行停車駅でもある溝の口や鷺沼、たまプラーザなども選択肢に含められるのはかなり大きいでしょう。
《中古マンションも対象に》
新築マンションの購入に拘る方もいらっしゃいますでしょうが、この結果から言いますと、少なくとも東京都心部での80㎡以上の新築マンションはほぼ存在していないと考えても良いかもしれません。もちろんないわけではないのですが、かなりの高額帯であり数も少ないことは間違いないでしょう。
上述しましたが、建築費の高騰や地価の上昇、建築業界の人材不足などが大きく影響した結果、新築マンションの価格は大きく高騰しています。しかし、そのマンションを購入する側の予算はそれほど伸びてはいません。そのため、マンションを建築して売る不動産会社側はできるだけ多くの人に購入を検討してもらえるよう、住戸の面積を削って販売価格を抑えることになるのです。
高額な80㎡以上の広いマンションは購入希望者の幅がかなり狭まるため、不動産会社側も「売却しづらい」というリスクを追うことになります。仮にそのリスクの上で80㎡以上の広いマンションが建てられたとしても、“新築プレミアム価格”として値段がさらに跳ね上がってしまうことも珍しくありません。
大幅な予算の増加が出来ないのであれば、中古マンションを選択肢に入れるのもひとつの手です。
それでも知名度の高いエリアや利便性の高い駅周辺などはやはり難しいですが、新築マンションよりはかなり予算を抑えた上で都心により近く、ゆったりとした広さのマンションを購入出来る可能性も高くなります。
《広さではなく部屋数でカバーする手段も》
希望するゆったりとしたマンションが見つからないのであれば、広さではなく部屋数を増やしてカバーするという方法もあるでしょう。
さらにテレワークが一般化したことによりマンションを売る側としても、こちらの“部屋を増やす”という対応を行う傾向も見られるようです。
今回のコロナ過により都心部の人口密集地から郊外へ引っ越そうという考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。それに伴って、これまでの交通利便性重視のマンション選びから、在宅時間が増えたことによる“住み心地”を最重視する世の中になるのかもしれません。
ぜひ都心部だけでなく郊外にも目を向けて、ゆったりとした住みやすい理想のマンションを探し出しましょう。
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