[物件OFFコラム]不動産の売却は代理人でも可能?手続きの方法と注意点とは|物件OFF

不動産の売却は代理人でも可能?手続きの方法と注意点とは

 

原則として、不動産の売却は所有者本人が手続きをし、立会うことが必須となります。
しかし様々な理由や事情から、本人による手続きが出来そうにない、立会いがむずかしいというケースもあるでしょう。このような場合は“代理人”を立て、手続きをしてもらうことが可能です。

そこで今回は、不動産売却の代理人についての基礎知識から、手続きの方法や注意点についてまでを解説します。


不動産の売却は代理人でも可能?手続きの方法と注意点とは1

 

目次
不動産売却の代理人委任はできる?
代理人と委任状
委任状の書き方と注意点
代理人に委任する際の注意点
状況に応じて専門家への相談も




《不動産売却の代理人委任はできる?》


不動産売却は所有者本人が行うものであるため、たとえ所有者の実印と印鑑証明書を持っていたとしても「本人に売却の意思」がなければ契約そのものが無効になります。そのため、不動産の売却は所有者が手続き及び立会いすることが原則です。
とはいえ、本人に売却の意思があったとしても、実際に売却を進めることが難しいという状況になることはあるでしょう。「原則」ということは「例外」もあるということ。やむを得ない事情がある場合は、代理人を立てることが認められています。

代理人に依頼できる主なケースが以下になります。



■売却不動産が遠方にある

売却物件が居住地から遠く離れており、所有者本人が現地で売却手続きを行うことが困難な場合は、代理人を選任することが出来ます。
例えば、「相続で実家を引き継いだけれど、今は遠方に住んでいる」という状況なら認められるでしょう。もちろん海外に居住している場合も可能です。



■本人が現地に向かうことが難しい

病気や怪我などで入院または移動が難しい、施設に入所しており移動の制限がかけられているような場合なども、代理人を立てる正当な理由として認められます。
介護や仕事などで契約に要する時間を確保できない場合も、こちらに含めることができるでしょう。



■共有名義の不動産の売却

共有名義の不動産の売却時には、名義人全員の同意及び手続きの立会いが必須です。
しかし、名義人の数が多くなればなるほど日程調整が困難になり、なかなか売却が出来ない状況になることも否定できません。このような場合は、それぞれが代理人を立てることによって、名義人本人全員が集まらずとも手続きを進めることが可能となります。
また、離婚に伴う夫婦名義の不動産売却の際にも、代理人を立てることを認められています。




《代理人と委任状》


代理人を選任する際、“委任状”の作成が必要となります。
代理人とは「本人に代わって意思表示、及び意思表示を受ける権限を持つ人」です。不動産売却においての代理人であれば、本人が所有している不動産を売却する権限を持ちます。値引き交渉を持ち掛けられた場合でも、本人の意思を確認することなくその場で応諾することも可能であるほど、その権限は本人とほぼ変わりないのです。

しかし実際に取引を行う場合は、取引の相手方である買主に対し「代理人であること」を明らかにする「顕名(けんめい)行為」を行わなければなりません。この際に利用されるのが“委任状”なのです。

不動産の売却は代理人でも可能?手続きの方法と注意点とは3

■委任状を用いても不動産売却が出来ないケースも

ただし、本人が成年被後見人である場合は、委任状を用いても契約そのものが無効となります。
成年被後見人とは、加齢や認知症、事故、病気などで十分な判断力がない人を指し、そもそも「他人に代理権を与える」という判断を正常に行うことが難しいとみなされています。そのため、たとえ本人の子どもや家族であっても、本人が成年被後見人ならば委任状を用いたとしても売買契約は認めらないのです。

裁判所によって指定された「法定代理人」である場合に限り、代理人として不動産を売却することが可能になります。




《委任状の書き方と注意点》


委任状に定まった書式はなく、何らかの形式要件を満たさないと無効となるといったものも一切ありません。ノートやメモ帳への手書きでも、パソコンでの記載でも有効になります。

 

とはいえ委任内容が曖昧過ぎて、代理人が権限外の事項でも判断を下してしまい、結果的に大きな損失を被ってしまった、という状況も否定できません。自分の財産を守る意味でも、委任内容は明確に記載する必要があるのです。

では具体的に、委任状に記載すべき事項について見ていきましょう。



■委任内容と権限

どんな権限をどの範囲で委任するかを押さえておきましょう。
「売却に関する一切の件」などと大まかな記述にすると、代理人の権限が大きく広がってしまうため後のトラブルになる可能性が高くなります。不動産の売却に関する委任であることを明白にしたうえで、物件価格、手付金の価格、違約金の額、代理人による価格交渉の権限、仲介委託の権限、さらには売買契約や引渡しの日などまで、事柄をひとつずつ丁寧に、明確に記載します。



■売却物件の情報

不動産売却の場合は、売却対象となる物件を正確に表示します。どの物件の売却権限であるかを記載することで、他の所有物件まで売却されてしまったなどという事故を防ぐことができるでしょう。所在地、面積、建物の構造、所有者の住所氏名までも記載することが基本です。
正確な情報でなくてはならないため、法務局で入手できる登記簿謄本に従って記入することをおすすめします。



■有効期限

有効期限は必ず記載します。取引成立しなかった後の悪用を避けるため、また買主側からの疑念を避けるためにも、しっかりと決めておきましょう。一般的には期限は3ヵ月、必要に応じ合意によって更新できるようにしておくと良いでしょう。



■委任状に当てはまらない状況での判断

どれだけ信頼が出来る代理人であろうとも、無制限に権限を与えてしまうのは避けましょう。また、たとえ権限を明確化しても、本人の希望と合わない行動をされるリスクも常に存在しています。
そのため、委任状に記載されていない事項については、「そのつど委任者に相談の上で決定する」といったように、明確に記載しておくことが必要です。
なお、「絶対に禁止したい内容」については、禁止事項として別途明記しておきましょう。



■名前と住所

委任状では、不動産の所有者であり売りたい本人を「委任者」、売却依頼をされた代理人を「受任者」と表記するのが一般的です。それぞれの名前を記載するのですが、名前だけだと同姓同名の人も存在するため住所も併せて記載し、実印を押印します。三文判でも構いませんが、実印のほうが信頼性が上がりますし、可能であれば印鑑証明書も添付するのが望ましいでしょう。

不動産の売却は代理人でも可能?手続きの方法と注意点とは2


《代理人に委任する際の注意点》


不動産の売却は非常に高額な取引となりますから、代理人の選定にはそれだけ慎重になる必要があります。 では、どのような点に注意して選ぶのが良いのでしょうか?



■信頼のおける相手に依頼するのが基本

原則として代理人は、近親者か弁護士などの専門家に依頼するのが基本です。
制限があれども、代理人には大きな権限と責任を持たせることになりますので、依頼する相手は慎重に選定しなければなりません。可能であれば配偶者や親、子などの信頼のおける近親者に委任しましょう。
親族内に依頼候補がいない場合は、司法書士や弁護士に任せることをおすすめします。



■白紙委任は避ける

どれだけ信頼が出来る相手だとしても、条件の設定は必須となります。
権限の範囲を規定せず、代理人にすべてを任せる“白紙委任”というものがありますが、トラブルを避けたいのであればこれは絶対に避けましょう。権限の範囲がわからず決めることが難しい状況もあるでしょうが、悪用されてしまう可能性も否定できません。
トラブルを避け、納得のいく取引を行うためにも、権限の制限は必須なのです。



■内容を加えられる状態にはしない

あらかじめ委任事項の訂正に備え、余白部分に押印することを“捨印”と言います。この捨印を求められたとしても、押さないようにしましょう。
捨印を押された委任状は「新たに訂正する」ことができるため、代理人によって自由に委任事項を加えることができる状態になっています。代理人の利益を図るような内容を加えられるリスクがあるため、捨印を押す行為は避けましょう。



■本人確認及び売却意思の確認は必須

不動産売買契約においての代理人は、委任状が存在すれば契約を行う権限を所有しています。しかしその場合でも本人確認を行い、売却意思が本当にあるのかを確認することは必須です。
例えば親族間であれば、実印や印鑑証明書を入手することはそれほど難しいことではありません。委任状を捏造されてしまえば、勝手に不動産を売却されてしまう可能性もあるでしょう。つまり、事前に本人確認を行うことで、その委任状が捏造されたものではないことを証明することにもなるのです。
たとえ親族が売却を求めて話を進めていたとしても、手続きを行う司法書士に対して本人が「売却の意思」を示さない限り、登記をされることはありません。本人による売却意思が認められなけば、不動産売却はできないのです。

 

なお上述の通り、認知症などの病気で「意思能力」がないと認められた場合でも契約は無効になりますので、その場合は“法定代理人”として話を進める必要があります。




《状況に応じて専門家への相談も》


不動産売却は、事情によっては代理人に委任をすることも可能であることをお伝えしました。
非常に大きなお金が動く取引になりますので、それだけ慎重な姿勢で臨まなければなりません。信頼が出来る代理人の選定はもちろんのこと、代理人が顕名行為を行うための必須書類である委任状の作成時にも、注意点を意識して作成するようにしましょう。

代理人を委任できるような親族がいない、または専門知識などに不安があると感じたのであれば、司法書士や弁護士のような専門家を選ぶというのも手段のひとつです。司法書士ならばそのまま手続きしてもらうことが可能ですし、弁護士であれば権利などの不動産トラブルが発展した場合も任せることもできるでしょう。
委任する相手に悩んでいるのならば、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。


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