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これからの不動産価格はどうなる?2022年問題を知ろう【前半】
マイホームの購入や売却を考えている人たちにとって、やはり気になるのは不動産市況でしょう。
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済的損失はもちろんのこと、それに大きく影響を受けて東京オリンピック及びパラリンピックは1年間の延期。なんとか無事に終了はしたものの、無観客開催などにより経済効果もほとんど失われ、そのダメージは計り知れません。
さらに不動産業界では“不動産価格が暴落するかもしれない”と危惧されている「2022年問題」というものがあることをご存知でしょうか?マンションや土地価格にも影響する可能性もあるのならば、マイホームの売買を検討している人には見逃すことができない問題です。
そこで今回は、2022年の不動産市況の予測から2022年問題とはどういったものなのか、また影響を与える社会問題などについても解説します。
《2022年の不動産市況の動き》
新型コロナウイルスの影響はこれまでないほどに大きく、社会的な経済難が叫ばれています。
しかし、不動産業界はそれほど影響を受けておらず、来年にあたる2022年も「大きく変わらない」という予測がされているのです。
確かに、初めて全国的に緊急事態宣言が発令された2020年の4月時点では、価格や取引件数が大きく落ち込むエリアも存在していました。が、これは一時的なものであり、その後は回復傾向となっています。
歴史的な低金利を背景に、リモート勤務や在宅など働き方が変化したことによって“家”での時間が長くなり、住まいの見直しが積極的に行われるようになったことが要因のひとつとなっているのです。これまでのような「寝るためだけの家」ではなく「仕事もしやすい環境」を整備するため、住み替えやリフォームの需要も高く、それは2022年も続いていくものとみられています。
また、2022年と言えば「2022年問題」が不安視されておりますが、こちらは政府による対策がしっかりと行われているため、不動産価格の暴落などといった状況にはならないことが予想されています。
《2022年の不動産市況に影響するもの》
大きな変化は見られないとの予測ですが、もちろん予測であり確定ではありません。
では、どのようなものが市況に影響を与えるのでしょうか?ひとつずつ見ていきましょう。
■コロナショックに伴う変化
新型コロナウイルス感染拡大による影響はそれほど大きくないとは上述しましたが、やはりゼロではありません。住宅地、商業地、工業地などを合わせた“全用途平均”は6年ぶりに下落に転じているのは確かです。用途別に見ても、住宅地は5年ぶり、商業地は7年ぶりに下落を見せ、唯一上昇を続けている工業地すらその上がり幅は減少しているのです。これは新型コロナウイルスの影響を受けていると言っても間違いありません。
また、2020年以降の不動産取引件数自体も減少しています。
需要が下がれば不動産価格も下がる傾向にあるため、この先の大幅な下落を危惧する声もありますが、今回のコロナショックに伴った取引件数の減少はあくまでも一時的なものであると予測している人も多いようです。
実際に首都圏や都市圏での需要が損なわれたわけでもありませんので、最初にお伝えした通り不動産価格の大幅な値下がりに至ることはほぼないと考えて問題ないでしょう。
ただし、需要の変化がみられていることは見逃せない事実です。
テレワークやリモート勤務が増加したことにより、オフィスは大規模なものから小規模のコンパクトのものへ、マイホームは仕事をするための部屋やスペースを確保するために4LDK以上の部屋数が多い物件の人気が高まっているのです。取引自体は減少しているものの、市場の供給が少ないままで需要が高まってしまうと、物件価格が必要以上に高騰してしまう可能性もゼロではありません。
■オリンピック需要の反動
東京オリンピック・パラリンピックは1年延期し、開催には紆余曲折はあったもののなんとか終了を迎えました。今回ほど世界中で開催の是非について物議を醸しだしたオリンピックは、史上初なのではないのでしょうか。
このような世界的大イベントの開催の後は、「不況になる」という考えを持つ方も少なくありません。
確かに1964年の東京オリンピック直後は、景気は大きく後退しています。近年では2016年のリオデジャネイロ五輪後のブラジルも同じような状況に陥りました。これは競技施設や大規模なインフラ整備、大型商業施設などといった“オリンピック需要”が問題であり、開催後には需要が一気になくなった反動であると考えられています。
しかし、今回の東京オリンピックは状況が大きく異なっています。
オリンピックのために新たに建設されたものは国立競技場などをはじめとした一部の施設のみであり、オリンピック需要は小さく限定的なものでした。経済の熟成が進み、社会インフラも十分問題のない現在の日本では、それほど必要としなかったのです。
オリンピック需要が小さければ、その分反動も小さくなります。実際現時点でも景気が一気に後退したということもなく、価格の暴落も見られていません。つまり、オリンピック需要の反動はほぼなかったと考えても良いでしょう。
■2022年問題
不動産業界では以前より「2022年問題」が懸念されています。
この2022年問題とは、簡単に説明すると「生産緑地(農地)が2022年に指定解除となり、都市部にある生産緑地が宅地に転用されて市場に大量に出回るのではないか」という予想です。
生産緑地問題とも呼ばれるもので、そもそも生産緑地とは都市圏の市街化区域内の領地のうちの“生産緑地法で指定された農地”を指します。指定された土地は農地以外での転用や転売が出来ず農業を営む義務が課されるものの、税の軽減や猶予などといった恩恵が受けられるのです。この指定は1992年からスタートしました。
ただ、この生産緑地の指定期限が「30年間」とされています。
1992年の30年後にあたるのが2022年。つまり、2022年になった時点で生産緑地指定が解除されますから、宅地化する土地が急激に増えてしまい、不動産価格の大暴落が発生するのではないか、と心配されているのです。
生産緑地のおよそ80%もの土地が2022年に指定期限を迎えてしまうため、この土地が一気に市場へ流失してしまった場合、様々な影響に及ぶ可能性が高いと言えます。
とはいえ、それは「何もしなかった場合」です。当然国もこの問題を放置しているわけではなく対策が取られていることなどから、全国的な大暴落に至ることはほぼないと考えても良いでしょう。
《2022年に不動産価格は暴落するのか?》
大暴落に至る可能性は極めて低いと言っても、これだけ騒がれているのですからやはりまったく気にしないわけにはいきませんし、もちろん影響が全くないとも言い切れません。
ここでは、2022年問題について詳しく見ていきましょう。
■2022年問題とはどういうものか
2022年問題とは上述した通り、“生産緑地”に対する問題となっています。
都市圏内の市街化区域に指定されているエリア内の農地は、“宅地化農地”と“生産緑地”の2つに分かれており、このうちの宅地化農地に関しては特に保全などはされておらず問題になることはありません。それに対して生産緑地は、都市計画によって選定された市街化区域内にある農地及び山林を指し、生産緑地法によって守られています。
生産緑地に指定された土地は、固定資産税が一般農地並みの税額まで下がると同時に、相続税の納税猶予が与えられるという大きなメリットが発生します。その代わり、一度でも生産緑地として指定されてしまうと30年は土地の売却が認められず、さらに所有者に対しては30年の営農という義務が課せられるのです。
生産緑地法自体は1972年に制定されていますが、1992年に改正。現在の生産緑地の80%前後が1992年に一斉指定されています。この時に指定された生産緑地が2022年に「30年の営農の義務」を終え、売却することが可能になるのです。
その結果、供給が過多となり不動産の地価は暴落、賃貸物件の空室も増加する可能性があると指摘されている問題が「2022年問題」と呼ばれるものになります。
■生産緑地制度とは?
次に、問題となっている“生産緑地制度”がどういうものなのかを解説します。
そもそも生産緑地は「市街化区域内の農地のうちの、生産緑地法で指定された土地」を指し、すべての農地が生産緑地ということではないですし、市街化区域内にあれば必ず指定されているわけでもありません。
生産緑地に指定される条件として、
・良好な生活環境の確保に相当の効果があること
・公共施設などの敷地の供する用地として適していること
・500㎡以上の規模の区画であること(自治体によっては300㎡以上)
・農林漁業の継続が可能な条件が整えられおり、継続が可能であること
などがあり、これは生産緑地法第3条第1項に記載されています。
市街化区域はすでに都市化されている、または将来的に都市化が進むことが予定されているエリアですから、その一部を農地化しているものが生産緑地になるのです。
生産緑地に指定されると、
・当該土地を農地として管理すること
・生産緑地であることを掲示すること
・建物やその他の造成や手を加えることは認められない
その他、30年の営農義務が課されるものの、税制面での優遇を受けることが可能になります。
なおこの生産農地はそのほとんどを東京都、大阪府、愛知県とその近郊県に集中しており、地方のエリアではほとんど指定されていません。
■不動産への影響はあるか
2022年問題が現実になった場合、不動産にどのような悪影響が出るのか考えてみましょう。
主に指摘されている大きな影響は次の2つです。
・宅地の過剰供給による地価の下落
すでに上述した通り、30年の営業義務が終了し解除された生産緑地が一斉に不動産市場に流れ込み、その過剰供給によって価値が下がってしまう可能性が危惧されています。
もちろん、生産緑地であった農地がすべて宅地として売り出されることはまずありえません。しかし売却を考えている所有者は多いでしょうから、通常よりも供給量が増えてしまうことは間違いないでしょう。これを懸念して早期売却のための値下げ競争が発生する可能性もあります。
中には、たとえ固定資産税の優遇が無くなったとしても農地としてそのまま継続したい方、住宅を建てて自分たちが住むことを計画している方もいることでしょう。しかし制定から30年経過していることから所有者はすでに高齢者であることが大半で、農業を継続したくてもできない方も少なくありません。高い固定資産税を支払ってまで土地を所有し続けるよりも、売却してしまいたいと考える方が増えるのは自然なのことなのかもしれません。
・中古マンションの価値の低下
中古マンションの価値が下がる可能性も懸念されているのです。
指定解除された生産緑地は、売却することは可能になりますが原則として市区町村へ時価での買取りを依頼することになります。しかし財政的な余裕がない自治体が多く、すべての生産緑地であった土地の買取を行うことは現実的に難しい問題となります。市区町村による買取りが不可能な場合、農業事業者に対しての斡旋がなされることになっているものの、農地として買手が確実につくかどうかも難しいところです。
市区町村による買取や斡旋が成立しなかった場合、不動産会社などを通じて個人や企業などといった第三者への売却を依頼することも可能となります。そうなれば市場には大量の土地が出回り、多くの新築マンションが建てられることでしょう。
その結果、周囲の中古マンションが売れにくくなり、価値が低下してしまう可能性もあるのです。
■影響を受けると予想されているエリア
2022年問題の影響を受けると予想されているのは、当然ですが生産緑地が点在しているエリアです。
主に東京都の世田谷区や練馬区、愛知県の名古屋市、一宮市、豊田市、岡崎市、大阪府は全域に生産緑地が密集しているため、このエリアでの土地価格の下落が予想されています。
生産緑地は市街化区域内にあることが前提なのですが、駅の近くなどの利便性が高い場所には存在していないことがほとんどです。その大半が閑静な住宅街にあるということは、2022年問題の影響を実際に強く受けるのは郊外のファミリー層向けの住宅になります。供給が多くなることによって新築戸建ての値下げも考えられるため、いずれ郊外に一戸建てのマイホームを購入したい、または売買を考えている場合は今後の動きに注意する必要があるでしょう。
その一方で、駅から近い物件や生産緑地が少ない都心6区などの物件はさほど影響を受けず、その希少性も損なわれないのではないか、という見方もあるようです。
2022年の不動産市況に影響を与えると思われる、特に2022年問題についてお伝えしました。
後半では、政府による2022年対策から、2023年以降の動きについてご説明します。
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