[住活マニュアル]失敗しない中古物件購入のコツ|物件OFF

失敗しない中古物件購入のコツ

 

新築一戸建てを郊外で買うよりも、希望のエリア内で同じ価格帯の中古一戸建てを購入したい!と思う方は年々増えているようです。でも“中古住宅”と聞くと、雨漏りやカビ、シロアリなど様々な問題が購入後に発生してしまって、「値段が安い分、長く住めないのでは?」といった不安も多いのではないでしょうか。もし問題が今出てこなくても、「いずれ大きな問題が発生するかも」と気にしながら生活するのも辛いですよね。
今回は“どうすれば安心して長く住める中古住宅が購入できるか”にポイントを当ててみました。


失敗しない中古物件購入

 

《ホームインスペクションに状況を確認してもらう》


“ホームインスペクター(住宅診断士)”が、「劣化の状況」から、「修繕が必要な個所はあるか」、「長い目で見て問題が発生する箇所はないか」、「修繕をするのならどのくらいの費用がかかるか」など、建物を第三者の立場で診断しアドバイスを行うことを“ホームインスペクション(住宅診断)”と言います。
内見時には外装や内装を確認することは可能ですが、屋根裏や床下などの構造は見ることはなかなかできませんし、素人が見てもそれが正常なのか異常なのかわかりにくいということもあるでしょう。これらを専門家の見地から、屋根裏や床下はもちろんのこと、屋根、外壁などを主に目視、場合によっては精密機器を使用してチェックしてもらい、その報告書から購入前の建物の状況を確認することが出来るのです。

基本的な診断で約7~8万、オプションの診断まで行うと10~20万円ほどになってしまいますが、修理が必要な個所や必要な費用の目安も明確になりますし、なんといっても欠陥住宅を購入してしまうというリスクを回避することが可能なのが最大のメリットでしょう。
また、ここ数年特に大きな地震が多いため、その家が地震に耐えられるかも気になるところ。建築確認申請日が1981年6月1日以降なら、新耐震基準に適合しているため震度6程度の地震でも耐えることが可能です。もちろんそれ以前に建てられたものでもすべてが大きい地震に耐えられないということではないので、耐震診断を受けているのならその確認を、受けていないのならばホームインスペクションに耐震診断をお願いしましょう。公的な助成金をもらえる地域もありますので、まず自治体のほうに問い合わせてみてください。




《リフォーム・リノベーション済の物件を購入》


不動産会社やハウスメーカーなどが中古物件を買い上げ、状態を検査しクロスやフローリングの張替えなどを行い新築の状態に戻して販売する“リフォーム済み物件”や、間取りやデザインの変更など大規模な工事を行い新築以上の性能に造りかえた“リノベーション済み物件”の販売も増えています。
自分でリフォームをするのも良いですが、どこをどのくらい直せばよいのかわかりにくいですし、理想を追求しすぎると費用もかかってしまうもの。その点、このような物件だと必要な部分は補修されていますし、同グループ会社や提携会社で工事を行っているところがほとんどでその分コストも抑え気味なので、自分でリフォームやリノベーションを行うよりも安く抑えることが出来ます。しかも、新築同然のきれいな状態の物件に即入居も可能。リフォーム・リノベーション費用も物件価格に含まれているため、別にローンを組まなくても住宅ローン1本で済むというのも利点です。

さらに、物件購入時に見つけられなかった、雨漏りや漏水などの欠陥“瑕疵(かし)”が見つポイントけられた場合、入居後でも保証が受けられる“瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)”が受けられるのも大きいでしょう。こちらは個人であれば3か月ほどですが、不動産会社やハウスメーカーなど“宅地建物取引業者”を持っていれば最低でも2年は受けることが可能です。

デメリットとしては、修繕で隠れてしまう部分などが確認できないということでしょうか。売主がしっかりと検査・補修し、その状況を説明してもらえるのなら安心なのですが、どうしても不安であれば前述した“ホームインスペクション”に診断してもらうのも手です。




《既存住宅売買瑕疵保険の加入》


しばらく居住してからはじめて気が付いた隠れた欠陥(瑕疵)を発見すると、前述したとおりに“瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)”が発生するのですが、その補修内容や規模によっては引っ越しを余儀なくされる可能性もゼロではありませんし、損害賠償の請求をすることもあるかもしれません。もし売主が亡くなったり倒産していたら、欠陥住宅を抱えたまま泣き寝入りをする羽目になるかもしれないのです。また売主側でも、売却が完了したはずの物件に手痛い出費を被ったりと、どちらも大きな打撃を受けることになるでしょう。

これらの不安を解消ために作られたのが“既存住宅売買瑕疵保険”です。こちらは強制ではなくあくまで任意で加入する保険なのですが、加入していれば一定の欠陥があった際にその補修費用を受け取ることが可能なのです。たとえ売主が死亡・倒産していても、確実に費用を受け取ることが出来るというのは安心材料の一つとなりえるでしょう。
それだけでなく、この保険に加入している物件は、国土交通省の指定を受けた保険会社か、その保険会社の審査を受けた検査会社による検査をクリアしている、という点も大きなメリットでしょう。新耐震基準に適合していることも加入の条件のため、確実にこれらを満たしているということなのです。

また、物件の売買取引完了後に買い手が受け取れる“保険付保証明書”があれば、様々な優遇税制を受けられますので大切に保管しておきましょう。

原則的に売主が加入する保険ですが、買主でも保険料を負担し売主の同意を得ることで加入することもできます。建物や保険期間などによって値段は左右されるものの、だいたい8~10万程度。生命保険などのように毎月支払う必要はなく加入時の1回のみなので、可能であれば安心を買う意味でも加入しておくのも手かもしれません。



 

《保証とアフターフォロー付きの物件》


建物や設備の検査を社内、もしくは社外の専門家によって検査をした上で、引き渡し後の建物及び設備に不具合が発生した場合に無償で修繕を行う“保証付き”の物件は、大手不動産仲介業者を中心に最近特に増えてきています。
保証期間や範囲などのサービス内容はそれぞれの会社ごとに違いますが、雨漏りや給排水管の不具合、浴室やトイレなどの設備の修理・交換を一定期間保証してもらえるため、住んでみてしばらくたってから不具合に気づいてしまって「自費で修理しなきゃ…」ということがなくなるのは大きな安心です。もちろん「保証付きだから安心」、ではなく、保証の内容も購入前にしっかりと確認しておきましょう。

“保証付き物件”のメリットはそれ以外にも、“既存住宅売買瑕疵保険”に加入している物件と同じくすでに専門家によって検査・補修が行われている、という安心感が得られるのも大きいです。

中古物件購入のコツ

中古物件は手ごろな価格が魅力ですが、「購入後のトラブルも多いんだろう」、「悪いところを見つけるたびに修理していたら、結局新築と変わらない費用になるかも・・・」などのマイナスイメージもあります。
ですが、保険や保証などいろいろな制度が登場し、これらを活用することで中古物件でも新築と同様に安心して購入し、住むことが出来るようになりました。“もしも”の不安がなくなれば中古物件でも安心して長く住めますから、ぜひ希望のエリアでお得な中古物件探しをしてみてはいかがでしょうか。

 

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