《舞浜の歴史》

「舞浜」の地名は、アメリカ・ディズニーワールドの近くにあるマイアミビーチにちなんで命名された、という説が有名です。ですが実際には、日本の代表的な神楽舞「浦安の舞」からつけられたことが明らかになりました。

この「舞浜」の歴史は、東京ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランドとともにあると言っても間違いないでしょう。
そもそも昭和中期までは、舞浜のある浦安市は現在浦安駅がある元町地区のみであり、舞浜駅や新浦安駅の一帯には遠浅の海が広がっていました。当時はまだ浦安町であり漁師のまちとしてにぎわっていましたが、後のオリエンタルランドの社長が漁業組合と交渉。千葉県と漁業組合との間で合意形成がなされたことを受け、1964年（昭和39年）に千葉県の事業として浦安湾の海面埋め立てがスタートしました。
埋め立てと同時に、「舞浜エリアに東洋一のレジャー施設を建設する」という計画が進行。何度も修正が施されたのち、最終案が千葉県に承認されたのは1974年（昭和49年）のことでした。計画の実現に向け、欧米のレジャー施設の視察・調査が行われたのもこの頃。その結果、アメリカの「ディズニーランド」においてほかないという結論に達し、1974年には基本合意。1981年には工事を開始し、ついに1983年にオープンに至りました。

東京湾沿いにはリゾートホテルが次々と建てられ、2000年（平成12年）には複合商業施設「イクスピアリ」も誕生。かつては豊かな海の幸で栄えたまちは、東京ディズニーリゾートの所在地として、また東京のベッドタウンとして今も繁栄を続けています。

《舞浜の地理》

舞浜エリアは千葉県浦安市に属し、千葉県内で最も東京都寄りの位置に存在しています。周囲一帯が第1期海面埋立事業によって作られた埋立地であり、浦安市最西端の街です。
浦安市は大きく分けて5つのエリアに分けられ、「舞浜」は住宅・商業用地として整備された“中町地域”と、東京ディズニーリゾートとホテル群を中心した“アーバンリゾートゾーン”になります。舞浜の海沿い、舞浜駅から南側ほぼすべてがリゾートエリアとなっているため、線路から北側が住宅エリアです。埋め立て当初から総合計画に基づいたきめ細やかな街づくりが行われたので、道幅も歩道も広くとられた秩序ある美しい街並みが広がっています。

舞浜での移動のメインとなるのは、東京都の東京駅から千葉県千葉市中央区の蘇我駅を結ぶJR京葉線の駅“舞浜駅”です。東京駅までは約16分、千葉駅までは45分と、千葉の中心部よりも都心部のほうが出やすいため、東京方面へ向かいやすいのがメリット。京葉線の東京駅は他路線のホームからやや距離があるという点には注意ですが、都心にダイレクトアクセスが出来るのは非常に大きなポイントです。
なお、京葉線は風に弱いとされていたものの、防風柵や折り返し運転地を増やすなどの改善策を打ち出すことによってダイヤの乱れを少なくすることに成功。「風が吹くとすぐ止まる」という京葉線の弱点は過去のものとなっています。
なお、武蔵野線が京葉線へ直通運転しているため、舞浜駅から武蔵野線の電車に乗れば埼玉方面へも向かいやすいでしょう。

バス路線も多いため、車を所有していなくてもそれほど問題になりません。ですが、道幅も広い上に湾岸道路や首都高速湾岸線も利用しやすいので、移動はマイカー派という方にもおすすめ。ただし、観光客で混雑しやすいという点は覚悟が必要かもしれません。

《舞浜での買い物》

舞浜駅で買い物をするのならば、複合商業施設「イクスピアリ」です。リゾートのような飲食店やショッピングスポットが多く入っているため、お金をかけずに夢の国の雰囲気を味わうことが可能です。とはいえ、施設内は住人向けというより観光客向けのものばかり。スーパーとして成城石井が入っていますが、毎日の買い物の場所としてはやや物足りないかもしれません。

駅の北側は閑静な住宅街になっているため、買い物はさらに北方面、見明川を渡った浦安寄りのほうですることになるでしょう。マルエツ浦安店や、ヤオコー浦安東野店などがありますので、食材や日用品の買い出しには問題ありません。駅の周辺にはコンビニの数はやや少なめな点には注意です。気軽に買い出しをしたいのであれば、自転車や電気自転車があると便利でしょう。勾配がそれほどないため、自転車での移動もスムーズです。

外食派の方はイクスピアリ内で済ませるか、浦安方面へ足を運ぶことになります。もちろん、お隣の新浦安方面へ向かってしまうのも手です。新浦安は同じ浦安市内の中町地域ですが、商業施設や飲食店が充実していますので買い物も食事もこちらで済ませると楽でしょう。

《舞浜の施設》

「舞浜」にある施設と言えば、東京ディズニーリゾートにほかなりません。1983年（昭和58年）にディズニーランドが、2001年（平成13年）にはディズニーシーがオープン。周囲には5つのディズニーホテルと6つの他のホテル、複合商業施設イクスピアリを備えた、日本でも有数の大観光地です。
ディズニーのファンであれば、舞浜は誰しもが一度は住んでみたいと思う夢のエリアでしょう。窓やベランダから園内の建物や毎日の花火が見えたり、楽しげな音楽が海風に乗って聞こえて来たりと、すぐ身近で非日常を感じられるのは、まさに舞浜住民ならではの特権です。

しかし舞浜はディズニーリゾートだけではありません。もちろんリゾートゾーン周辺は華やかな印象ではあるのですが、そこから少し離れるだけでのんびりとした雰囲気の住宅街が広がります。公園も多く、小さなものから大きなものまでがそろっていますし、海沿いを散歩できる舞浜海岸遊歩道が整備されていたりと、非日常だけでなくゆったりとした日常もカバー。特別な日やイベントももちろん大切ですが、その周辺に住む人々の毎日の生活も満足できるよう、計算されつくした街並みが舞浜の最大の魅力なのです。